総合型選抜は資格を集める入試
ではありません

総合型選抜や学校推薦型選抜という言葉を、最近よく聞くようになりました。

 

保護者の方からも、

「英検は取っておいた方がいいですか」
「ボランティアはしておいた方がいいですか」
「何か資格が必要ですか」
「推薦を受けるには、何をしておけばいいですか」

という相談を受けることがあります。

正直に言うと、以前の私も、総合型選抜や推薦入試を少し表面的に見ていたところがありました。

英検を持っていれば有利になる。
資格要件を満たせば出願できる。
活動実績があれば評価される。

大学によっては加点や得点換算に使われることがある。

どうしても、そういう話に目が向きやすかったのです。

もちろん、制度を知ることは大切です。

大学によっては、英検などの資格が出願条件になることがあります。
資格や活動が評価の一部になることもあります。
評定平均や出願条件を満たすことも必要です。

そこを軽く考えてよいわけではありません。

ただ、それだけを見ていると、総合型選抜の本質を見誤ります。

総合型選抜で大学が見ているのは、何を持っているかだけではありません。

大切なのは、

なぜ、それに取り組んだのか。
そこから何を考えたのか。
どのように成長したのか。
大学で何を学び、将来何を実現したいのか。

そこです。

たとえば、ボランティア活動をしたとします。

大切なのは、「ボランティアをしました」という事実だけではありません。

なぜ参加しようと思ったのか。
そこで誰と出会ったのか。
何に驚いたのか。
何に違和感を持ったのか。
その経験から、どんな社会課題に気づいたのか。
大学で何を学びたいと思うようになったのか。

そこまでつながって、初めて志望理由書に力が出ます。

資格も同じです。

英検を持っていること自体は、もちろん評価につながる場合があります。

しかし、それだけで終わってしまうと弱いのです。

なぜ英語を学びたいのか。
英語を使って、どんな人と関わりたいのか。
将来、どんな世界に出ていきたいのか。
その大学で学ぶことと、英語力がどうつながるのか。

ここまで考えられると、資格はただの数字ではなく、その子の将来像につながる材料になります。

私は、これまで多くの高校生の志望理由書を見てきました。

その中で感じるのは、きれいな文章だから伝わるわけではない、ということです。

少し不器用な言葉でも、その子が本当に経験し、本当に考えてきたことは伝わります。

反対に、どれだけ整った文章でも、中身がなければ伝わりません。

どこかで聞いたような社会課題。
誰にでも当てはまるような将来像。
急いで探してきた活動実績。

そういうものは、文章にしたときに、どうしても薄くなります。

総合型選抜は、受験直前に資格を集めて、活動を並べればよい入試ではありません。

もちろん、資格も活動も大切です。

しかし、それらはあくまで材料です。

本当に大切なのは、その経験を通して何を考え、どんな自分になっていくのかです。

大学が知りたいのは、履歴書のような活動一覧だけではありません。

その生徒が、何に関心を持っているのか。
なぜその分野を学びたいのか。
これまでの経験と大学での学びがどうつながるのか。
将来、どのように社会と関わっていきたいのか。

そこを見ています。

だからこそ、総合型選抜の準備は、高校3年生になってから慌てて始めるものではないと思います。

高1から、できれば中学生の頃から、自分の興味や関心を大切にしてほしいのです。

「好き」
「気になる」
「もっと知りたい」
「やってみたい」

最初はそれくらいでかまいません。

そこから少しずつ行動してみる。
経験したことを振り返る。
なぜ自分はそれに関心を持つのかを考える。
将来、何につなげたいのかを言葉にしていく。

その積み重ねが、本物のストーリーになります。

総合型選抜は、資格を集める入試ではありません。

自分が何を考え、どのように成長し、これから何を学びたいのかを問われる入試です。

伊万里進学塾では、総合型選抜を単なる受験テクニックとしては考えていません。

自分で学ぶ力。
考える力。
問いを立てる力。
そして、自分の経験を自分の言葉で語る力。

その力を育てていく先に、総合型選抜や学校推薦型選抜という選択肢があると考えています。

 

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